拘縮

拘縮のある患者さんは、ほぼ同じ姿勢になります。

 

なぜなら、拘縮は、筋肉の萎縮が原因になっているからです。

上肢の拘縮

大胸筋の萎縮により、上肢の拘縮が起こります。

 

大胸筋上部には、腕を上げる働きがあります。

 

この筋が萎縮すると腕が屈曲します。

 

また、大胸筋下部は、腕を身体中心に引き寄せる働きがあります。

 

そのため、萎縮すると腕が屈曲内転します。

下半身の拘縮

下半身は、股関節内転筋、股関節屈曲筋、膝窩筋、大腸二頭筋があり、
これらが萎縮すると、筋が引っ張られます。

 

筋には、伸展筋(伸ばす役割)と、屈曲筋(曲げる役割)があります。

 

しかし、屈曲筋のほうの面積が大きいので、
屈曲筋のように縮んでしまうのです。

 

股関節内転筋、股関節屈曲筋が萎縮すれば、股関節が屈曲内転し、
膝窩筋、大腸二頭筋が萎縮すれば、膝関節が屈曲しmす。

 

また、安静臥床などによって、筋肉や関節を動かさないままでいると、
屈曲筋が萎縮してしまいます。

 

すると、屈曲内転が起こり、身体はバランスを保とうとして、
自然に筋緊張となります。

 

筋緊張になると、血流が低下したり、関節や組織の低栄養になるので、
さらに拘縮が進むことになります。

拘縮のある患者さんに対するポジショニングピローの当て方

拘縮のある患者さんにポジショニングピローを当てるときは、
部位別に注意すべき点があります。

 

・仙骨部

 

仙骨部には、背中側の空間をなくすことができるよう、
両脇に小さなピローを入れて、仙骨部の圧を減らすようにします。

 

あるいは、仙骨の突出部を囲むように、
骨盤の両側から小さなピローを挿入してもよいでしょう。

 

・下肢

 

患者さんの拘縮し、屈曲した下肢は、無理に伸展させようとすると、
骨折のリスクが高くなります。

 

ですから、下肢後面から足先までを大小のピローを組み合わせて、
面で体重を支えるようにします。

 

膝屈曲下に隙間を作らないことが必要です。

 

また、腰から下肢全体を預けることができるようにすることが大切です。

 

・踵

 

踵は、膝関節が拘縮していると、強い圧がかかる状態になります。

 

踵部はつかないようにポジショニングを行います。

 

その際、下肢後面に入れる大きなピローに、
柔らかいものを使ってしまうと、足の重さでピローが変形してしまいます。

 

すると、時間の経過と共に踵が底月してしまうことがあるため、
踵に使用するピローは、しっかり形状を維持することができる
ウレタンやポリウレタンチップなどを選ぶようにします。

 

柔らかい羽毛やビーズ素材のものは、適しません。

 

・上肢

 

大胸筋の萎縮のため、手が前に屈曲している状態ですから、
肩の後ろに隙間があいていることが多いです。

 

そこで、肩の隙間にピローを入れますが、
前面に力がかかりすぎ、屈曲が強まってしまわないように注意する事が必要です。

 

ピローの厚さや素材を、患者さんの状態に合わせて選択し、
上腕は両脇にピローを挟んで、
重力で腕が落ちるように支え、屈曲内転の悪化を予防するようにします。